2020年2月8日

やっと、文章にしてみた(加筆修正あり)


クラシックバレエとヨガの講師として活動してきて、今更ながら悶々と思うこと(笑)。



 クラシックバレエとヨガにおける身体的な共通点としては、正しいとされる姿勢(静止状態)を習得しなければ、動き(バレエのムーヴメント、ヨガのフロー)の習得が困難になること。姿勢の習得には、身体内部の感覚を養うこと(自己観察)、身体の構造としくみを理解して客観観察の経験を積むことの両方が必要だと考えます。
 クラシックバレエおよびヨガにおける教育の現場では、講師自身の身体感覚の経験を基にして生徒を指導することが多く、身体の構造としくみを理解させ生徒に客観観察の経験を十分に積ませることができているとは言えないでしょう(私自身も含めて)。この問題は、姿勢、ポーズやダンステクニックにおいて、具体的にどの筋を使用することが有効なのか(トレーニングすべきか)に関する検証がまだ十分ではないと感じています。

 クラシックバレエとヨガの姿勢に共通する身体的な特徴として、股関節、膝関節及び足関節の可動範囲がとても大きいことがあります。広範囲に関節可動域を使って、優雅に踊る(クラシックバレエ)又は落ち着いて呼吸する(ヨガ)というのは、かなり特異的な身体の使い方ではないでしょうか。
広い関節可動域で動くためには、関節に作用する筋の体積が大きいと邪魔になり、筋収縮レベルが高すぎると呼吸が制限されて優雅な動きにならない(例えば股関節伸展動作について、大殿筋とハムストリングをメインで使ったところ、呼吸と優雅な動きは実現できなかった)。この個人的な経験に対して、納得のいく説明や解決策を示してくれる知見にはまだ出会えていません。つまり、”広い関節可動域を確保しつつ、負荷(自体重×姿勢)に耐えられる筋力”とはどのくらいか?さらに、その可動域を使って動く(動作)となると、どこの筋をターゲットにすべきか??
そのような基準は恐らくありません。理由のひとつは身体的な負荷の個人差が多きすぎること、特に、動きによる負荷は講師毎(レッスン毎)に千差万別。そのため、身体的な負荷を定量化しにくく、ターゲットが決まりきらない?理由の2つめは、広い関節可動域を得るために必要な筋力どう解釈するか(何をどれくらい必要とするのか)?理由の3つめは、広い関節可動域を使うことに焦点をあてた筋の機能が科学的にまだ十分明らかにされていないこと(少なくとも一般的に知られていない)。例えば、腕を挙げる筋は1つだけではないが、何を根拠にどれを選ぶのか?

 ……ここまで書いて、自分の身体感覚に対して(価値があると信じられる?)根拠、妥当性が欲しいのだ、と今更ながら思い知る。勉強した知識を人に話すことができたとしても、伝えること(話した内容を経験してもらうこと)は困難だった。自己観察から得られた良い(好ましい)身体感覚について人に伝えるために、その根拠がある程度必要だとは思う。
堂々巡りなので、打ち切り。

(漠然としていた思いを書くのに7年もかかったな