ヨガを始めるまで私は、ベジタリアンとは動物愛護や宗教などの理由から菜食を選ぶ人たちのことだと思っていました。各個人の主義の問題であり、ペットを飼わず信仰する特定の神を持たない自分には関係ないと思っていたのです。
ヨガクラスに通うなかで、自分の身体を思いやってあげると気分も軽くなる実感がありましたが、ヨガの思想や経典の教えをそのまま受け入れるのは難しい部分もありました。
ヨガを続けていくと、自分を思いやること→他人を思いやること→地球環境とそこに生きるもの全てを思いやること…とつながっていきます。
21世紀の現代において具体的にどう結びついているのか、解釈や意見は様々あるようですが、私が最近読んだ本をご紹介します。
「ヨガ&ベジタリアニズム スピリチュアル・ダイエット-悟りへの食-」
シャロン・ギャノン 著 (パク・ヒキ 翻訳)
2012年3月 YOGABREEZE 発行
ジヴァムクティ・ヨガの創始者シャロン・ギャノン先生の著作を、ジヴァムクティ・ヨガ正式指導者パク・ヒキ先生が翻訳したものです。
シャロン先生は、人にも動物にも地球にも非暴力をつらぬく為にはヴィーガニズムを実践することだと述べています。ヴィーガニズムとは、食事で肉、魚、卵、乳製品を摂らないことだけでなく、身につけるもの使うもの全てを他の生物に害のないものを選ぶことを意味するそうです。
育てた穀物を牛ではなく人が食べたら、飢餓に苦しむ人がいなくなる。飢える心配がなければ耕作地を広げるための森林破壊は必要ない。資本主義経済の主要産業と、自分の食事、そして地球環境までつながっている事実。
少し大仰な語り口ではあるけれど、シャロン先生の考えがダイレクトに伝わってくる内容でした。
私はインストラクター養成講座を受講中、ヴィーガン食生活を実践しました。
制約の多さは想像以上で、乳製品であるヨーグルトやチーズ、卵や乳を含むスイーツにカフェ・ラテ、ブイヨンや出汁で使うカツオ削りも不可。ヴィーガニズムを知らない人と食事をするのが楽しめず外食がストレスになり、体力不足で生活に支障が出てきたので、ギブアップしてしまいました。
同期の友人が「非暴力で菜食を実践するのも大切だけど、自分にも非暴力を実践してね」と言葉をかけてくれて、救われた気がしました。
ヨガは今まで、私に少しずつ確かな変化をもたらしてくれました。ヴィーガニズムも変化する中で実践していけたらと思っています。
(あくまで個人的な考えです。ご理解ください。)